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聞き手:一般財団法人ラン・フォー・ピース協会事務局長
/第1回リトルワールドへRun for Peace実行委員会リーダー ミネッチ

――小迫さんは、ランニングを始めて2年くらいなんですね?

そうなんです。走り始めたのは2009年7月頃かな。きっかけは、会社の健康診断で
「このままずっと同じ生活をしていると5年10年以内に大病しますよ」って言われたから(笑)

――え!それは衝撃的な…

地下鉄の階段を一気に上がれなくて、途中で「はぁはぁ」って息切れするくらい。
体重は今より5キロくらい多かったんだけど、筋肉がなくて脂肪の塊みたいだったと思うんですよ(笑)
で、その頃すごく仕事も忙しくて、健康についてあんまり考えてなかったんですね。
でも、まだ子どもも小さいし、いろいろ遊びにも行きたいし。日曜日も疲れてるからもうずっと寝ていたいっていう感じだったんだけど、でもそれじゃ人生損してるって、ふと思いついたんです。
どうせだったら、体も軽いほうがいいんじゃないかな、と思って。
仕事は忙しいけど、でも土日は自分の人生を楽しむほうがいいっていうのが自分にとってとってもオトクじゃないかと思って。このままじゃいけないなぁって思ったんですよね。
それで、とりあえず、歩いたりして筋肉付けよう、と思ったんです。

――健康診断の結果が、きっかけだったんですね。

そう、そのとき、ちょっと走ったんですけど、5分も走れなかった・・・(笑)



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――それでそれで?走り方を習いに行ったりしたんですか?

行ってないです。まずは、会社までの5キロ弱を歩けるようにしようと思って。
たまたまその頃、テレビで「話しながらのペースで1時間くらいジョギングできたら、フルマラソンが走れちゃうんだ」っていうのを見て、「あぁじゃあ私にもできるんだ」って(笑)まずは、ウォーキングから始めて、それから「ちょこちょこ走り」って勝手に名づけてるんですが、走ったり歩いたりというのを30分くらい続けるようにしたの。そんな風に続けて、「もしかしたら1年後くらいにフルマラソンも夢じゃないかな~」なんて目標設定したのが2年前。
それでね、実際、その翌年、2010年4月、自分の誕生日を記念して出たフルマラソンに出たら、走れちゃったんですよ。

――おぉ~!!!すごい~!!!1年も経ってないなんて…!

信じる者は救われるんですよ~(笑)
「テレビでも言ってたし、できるんだ!」っていう思い込みがあったし、
1時間、立ち止まらずに走れるようになってたから、「もう私はできる!」って感じで。

――足、大丈夫でしたか?

レースが終わった途端、歩けなくなりました(笑)
ちょうど、「筋肉痛には炭酸泉がいい」って妹に聞いて、それに2時間くらい浸かりました。
そしたら、次の日会社には行けました。大変な筋肉痛でしたけどね。



――Run for Peaceは、ネットで見つけてくれたんでしたっけ?

そう。走り始めて、だんだん走る距離が長くなってくると、いろんなことが頭をめぐるよね。
過去のことを思い出したり、自分って何だろう?って思ったり。今はこうして体を鍛えてるけど、それだけじゃなくて、もっと自分を磨きたいなぁ、勉強したいなぁって思えるようになったんです。
子育てのことがやっぱり悩みの種だったから、コーチングとか学んだほうがいいのかなぁ、なんて思ったりして。それでエ・ム・ズさん※のサイトを「お気に入り」に登録して、ときどき見てたんですよ。
そのとき、ほかのマラソン大会にも出たりしていたんだけど、「ただ走るだけじゃなくて、何か、人に役に立つことだとか、できないかな~」って探していたの。そのとき、エ・ム・ズのサイトにRun for Peaceのことが載っていて、
「あ、これなんだろう?」と思ってクリックしたのがきっかけ。

※エ・ム・ズさん=名古屋市に本社がある研修会社。代表理事の秋田稲美が創業。
「しなやかに夢をはぐくむ研修を!」“自分らしく輝く人が満ち溢れる社会”を創るために、“コーチング”と“NLP”を専門とする教育事業を子どもから大人まで幅広く展開する。

――すぐに申込みしてくれたんですよね。ボランティアスタッフを募集し始めてすぐのお申込み
だったの覚えてる。全然知らない人からの初めてのお申込みで、すごく嬉しかった!
…でも、たしか、いったんキャンセルされましたよね?

そうそう、一度申し込んだんだけど、仕事も忙しいし、出張も多かったし、子どももいるし、何かふんぎりがつかなくて迷ってて、キャンセルしたの。

――でも、トライアルランの前日にメールをくれた…。「やっぱり行きます」って。

ホント直前になって、「今やらないと!やらなきゃ!」って思い立ったんですよ。 今までは、会社以外の関わりがなくて、人とのつながりもなくて、“いっぱいいっぱい”だったし忙しい、でも物足りなかった。今までにない世界に入りたいな~、それが好きなランニングに関わることで、ビビッときたのかな~、なんて(笑) メールしたら、あの日、すぐ電話くれましたね。

――はい!だって、参加したいっておっしゃってくださる方はホント嬉しかったから♪ 運命の出会いでしたね~

ほんと、そうですね。なんか、楽しそうかな、って思えたし。

――楽しそうかなっていうのはどの部分を見て?

サイトの見た目も楽しそうだし、それに、「第1回目」っていうところに惹かれました。最初に創り上げることが好きなんです。前職もホテルの立ち上げから関わっていたし。大変だけど、楽しい。貴重な機会と思いましたね~。 ジョギングをしながら、みんなと一緒に最初のイベントを作る、そしてそれが誰かの役に立つ、っていう、私にとっては一粒で3度おいしい、いや、3度以上だったかもしれない(笑)



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――12/5のボランティアスタッフだけのトライアルラン、1/30のシンポジウム、そして3/6の、本番。3ステップで、「リトルワールドへRun for Peace」でしたが、3ステップ参加してみてどうでしたか?

リーダーのミネッチはじめ、コアメンバーのスタッフのみなさんの一所懸命な姿が、高校や大学の時の実行委員会の苦労を思い出させる感じで、すがすがしいというか、感動しました。昔の熱い想いがよみがえる感じだった! それに、ほかのメンバーと、このRun for Peaceを通じて知り合えたこと。思い出以上の宝物になったのかな~って思う。

――そういえば、あのRun for Peace以来、けっこうみんなつながってるね。ほかの活動一緒にやったり…。

ほんとそう。私、友だちいなかったから、すごく嬉しい。

――えぇ~!とても、信じられません(笑)こんなイイコトづくしのコサリンですが、Run for Peaceに参加するにあたって障害になったようなことはありますか?

今までは、家族や子どもの学童関係の方とか、仕事関係とか、義務的に関わる人しかいなかったんですね。
だから、自分の内面を話したりすることもなかったんです。本当に必要なことしか話さない、と言うか・・・。
で、今回、ボラスタになって、「人を集める」ことを求められて、正直、困りました。どうしようかな~って。
趣味の話もしたことないのに、「ジョギングやってること、Run for Peaceに参加した経緯、自分のバックグラウンド、なんでこれをお奨めするのか」とかそういう自分のことを話すのがすごく苦痛だった。
もう、私にとっては、“バンジージャンプ”だったんですよ。

――清水の舞台より高そう!!「カミングアウト」と「お誘い」は、大冒険だったんですね?

まぁ、私にとっては、乗り越えないといけないことだったんですよ。これがきっかけで、アクション起こせました。
でも勇気が要りました!私、人と話することがちょっと苦手で、 差し障りのない程度のことしか怖くてしゃべれなかった。それなのに突然、自分のことを他の人になんて・・・とんでもないっていう感じだったの。

――わぁ~、どうしてそこまでの勇気を出せたんだろう?

やっぱり、自分を変えたかったし、何か違うところに行きたいっていうのがあったと思う。
このままでいいのか?ってね。本来はさびしがり屋なので、友だちも欲しかったし。
親や兄弟、親しい友だち、会社の近くに座っている人、娘の友人のお父さん、お母さん、学校の校長先生に会いに行ってお話したこと。そうやって、アクションは起こせた。成果がどうかはわからないけど、動くだけは動きました。



――このコサリンの動きは確実に次につながっています。そのあとに続く、今のRun for Peaceの中には教育委員会に後援していただいているものもありますよ。大感謝です!!!
それに、コサリン自身も勇気を出してアクション起こして、変わったことがたくさんありそう・・・。

そうだね~。「ワタシ走るのが好きです!」っておおっぴらに言えるようになって、ますます好きになった、かな。 自分の名刺に「好きなこと=走ること」って書いてるんですよ。それに、さっきも言ったけど、友だちができたこと。 娘がね、「ちょっと痩せてかわいくなった」って言ってくれたこと。 見た目も変わったんだ、って嬉しかった!
今生きてる社会だけじゃなくて、今後子どもが生きていく社会、未来にも責任を持ちたいというか、いい未来を作ってあげたいなぁと思ってた。でもひとりじゃできなくて、この活動を通して、自分もそれに参加できている気持ちで、日常を生きていける。張り合いがあります。

――わぁ、ステキです。それは、Run for Peaceが目指しているところです。そういう人たちが何千何万って増えるといいなぁと思っています。

その中の一員になれたのが本当に嬉しい。

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――一歩踏み出したい方に、先輩から一言ください。

『Run for Peace』というキーワードが目にとまったり、記憶にとどまるようなひとは、
これに引き寄せられる「何か」があるんだと思うんですよね。
思い切って、最初の一歩踏み出して、入ってみてからジャッジすればいいし、何かのきっかけになるし、
決して無駄じゃないと、自分が体験して心からそう思える。
義務感じゃなくて、自分なりの自分でできることをやって、得るものがたくさんあると思うんですよね。
ミネッチだって、義務じゃなくてやってたでしょ?

――義務とは思わなかったけど、改めて考えるとなんだったかな…(笑)必死だったし。まぁでも自分のためにやってた。ほんとやってよかった。

心からやってることが伝わってくる。想いのこもっているイベント、って、伝わるんですよね~。 志が高い、強い想いが集まると化学反応が起こるし、自分もその中に入れてもらった、って感じ。参加してからのこと、振り返ってみると、運命というか大きなきっかけだったなぁと思います。

――最初は小さなことなんだよね。メール1通だもん。

そうそう。そのちっちゃなことが、私の人生にいっぱいの宝物をくれた。
今も、作っている最中ですよ。継続中!

――素晴らしい~!!!私もウレシイ~!!!

人ががんばっている姿は本当に美しいっていうか、エネルギーを感じる。
勇気を与えてくれる。Run for Peaceに関わる人ってみんな、ホントがんばってる人たちが多くって…。
今、進んでいるいろんなRun for Peaceも応援してる!

コサリンこと、小迫さんとは、リトルワールドへRun for Peaceがきっかけで知り合いました。今では、大好きで大切な友だちです。本当に素敵な出会いがRun for Peaceにはたくさんあるのです。(ミネッチ)